プランナー兼プログラマーの石川です。
PSP『剣闘士 グラディエータービギンズ』ではバトル以外の仕様と、イベント、評価、敵AIのプログラムなどを担当しました。
今回お話するのは敵AIについてです。というのも、『剣闘士~』のAIは、一般的なアクションゲームのAIとはちょっと違った仕組みで動いているからです。
普通のバトルアクションゲームのAIであれば、「今プレイヤーが何をしているのか」を監視して、反射的に行動を選択していくのが一般的かと思われますが、『剣闘士』にはドッジ&パリーという非常に優秀な切り返し手段が存在するため、単純な反射型のAIとして組んでしまうと、強すぎて倒せなくなる危険性があります。
そこで採用したのがアクション履歴です。
これは個々の敵キャラクターを担当するAIとは別に、プレイヤーの行動を監視し続けているAIが存在し、プレイヤーの攻撃タイミング、コンビネーションのパターンなどを記録していく仕組みです。各敵キャラクターを担当するAIは、プレイヤーに攻撃されそうになった時にこのアクション履歴を参照し、ずっと同じ間隔で繰り返されている攻撃だったり、既に知っているコンビネーションだったりした場合に、ドッジやパリーで切り返そうとします。
つまり、プレイヤーがワンパターンな攻めを繰り返していると、AIが学習して切り返してくるようになるわけです。ただ、学習するといっても、アクション履歴はバトルごとにリセットされていますので、AIが育ちすぎて倒せなくなるなんてことはありませんのでご安心を。
このような仕組みのため、高レベルの敵AIでも、攻撃のタイミングをちょっと遅らせたり、いつもと違ったコンビネーションを使ったりすると、結構攻撃を喰らってしまうようになっています。もし高難易度の敵に勝てないよという方がいましたら、上記のことを意識して、一回目は右攻撃からの連携、二回目は左攻撃からの連携といったように、攻め方やタイミングを色々変えてみてください。
逆にスキルの多段技などは、毎回同じタイミングでの攻撃になってしまうので、常に二段目・三段目をパリーされてしまうといった現象も起こります。これは対人戦でも起きる現象なので、難易度調整としては許容範囲かなと思っていますが、高難易度で使い物にならないスキルがあるというのは、ちょっと問題かもしれませんね。
そもそも敵のラッシュがきつ過ぎて勝てないよという方は……頑張ってドッジ&パリーで切り返してください。
他にも、このゲームは壁際で戦うことが大変不利になるよう調整されているため、マップデータの中に「その場所の危険度」が埋め込んであったりします。俗に「影響マップ」などと呼ばれているものですが、壁際だったり、狭い通路だったりする場所は危険度が高く設定されているため、敵AIはそういう場所で戦うことを極力避けようとします。
敵を壁際に追い込んだ場合は、無理にラッシュをかけようとせず、逃げまわる敵を単発攻撃で押し戻すような戦い方をすると良いかもしれません。ワンパターンなラッシュはアクション履歴に残るので、返されやすいですからね。
まだまだ語りたいことはありますが、あまり長くなっても読みづらいので、今日はこの辺で。ありがとうございました。
PSP『剣闘士 グラディエータービギンズ』ではバトル以外の仕様と、イベント、評価、敵AIのプログラムなどを担当しました。
今回お話するのは敵AIについてです。というのも、『剣闘士~』のAIは、一般的なアクションゲームのAIとはちょっと違った仕組みで動いているからです。
普通のバトルアクションゲームのAIであれば、「今プレイヤーが何をしているのか」を監視して、反射的に行動を選択していくのが一般的かと思われますが、『剣闘士』にはドッジ&パリーという非常に優秀な切り返し手段が存在するため、単純な反射型のAIとして組んでしまうと、強すぎて倒せなくなる危険性があります。
そこで採用したのがアクション履歴です。
これは個々の敵キャラクターを担当するAIとは別に、プレイヤーの行動を監視し続けているAIが存在し、プレイヤーの攻撃タイミング、コンビネーションのパターンなどを記録していく仕組みです。各敵キャラクターを担当するAIは、プレイヤーに攻撃されそうになった時にこのアクション履歴を参照し、ずっと同じ間隔で繰り返されている攻撃だったり、既に知っているコンビネーションだったりした場合に、ドッジやパリーで切り返そうとします。
つまり、プレイヤーがワンパターンな攻めを繰り返していると、AIが学習して切り返してくるようになるわけです。ただ、学習するといっても、アクション履歴はバトルごとにリセットされていますので、AIが育ちすぎて倒せなくなるなんてことはありませんのでご安心を。
このような仕組みのため、高レベルの敵AIでも、攻撃のタイミングをちょっと遅らせたり、いつもと違ったコンビネーションを使ったりすると、結構攻撃を喰らってしまうようになっています。もし高難易度の敵に勝てないよという方がいましたら、上記のことを意識して、一回目は右攻撃からの連携、二回目は左攻撃からの連携といったように、攻め方やタイミングを色々変えてみてください。
逆にスキルの多段技などは、毎回同じタイミングでの攻撃になってしまうので、常に二段目・三段目をパリーされてしまうといった現象も起こります。これは対人戦でも起きる現象なので、難易度調整としては許容範囲かなと思っていますが、高難易度で使い物にならないスキルがあるというのは、ちょっと問題かもしれませんね。
そもそも敵のラッシュがきつ過ぎて勝てないよという方は……頑張ってドッジ&パリーで切り返してください。
他にも、このゲームは壁際で戦うことが大変不利になるよう調整されているため、マップデータの中に「その場所の危険度」が埋め込んであったりします。俗に「影響マップ」などと呼ばれているものですが、壁際だったり、狭い通路だったりする場所は危険度が高く設定されているため、敵AIはそういう場所で戦うことを極力避けようとします。
敵を壁際に追い込んだ場合は、無理にラッシュをかけようとせず、逃げまわる敵を単発攻撃で押し戻すような戦い方をすると良いかもしれません。ワンパターンなラッシュはアクション履歴に残るので、返されやすいですからね。
まだまだ語りたいことはありますが、あまり長くなっても読みづらいので、今日はこの辺で。ありがとうございました。